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日本のからくり人形 その1
日本のからくり人形といえば、茶運び人形が代表的です。江戸の文豪、井原西鶴は「さながら人間の如し」と表現したほどですが、彼だけでなく見た者すべて驚嘆させられたに違いありません。
身の丈わずか40cm足らずの小さな人形が人気を集めたのは、歩行するだけでなく、茶碗をとったり戻したりする人間の動作に合わせた動きをすることにありました。からくり人形の世界を知らぬ人でも、この茶運び人形だけは知っているということが多いように思います。
近年では2002年に学研「大人の科学」シリーズ第8弾としてキットが販売され大変な人気を呼びました。このからくり人形は「機構図彙」にも登場する作品のひとつですが実は当時に作られたもので現存するものはありません。
立川昭二氏の手で昭和42年に復元されたものが、我々おなじみの茶運び人形といわれています。もっとも「機構図彙」にはゼンマイとバネはクジラのヒゲを使うよう指示されていますが、復元された人形では鋼が使用されています。 *参考資料 河出書房新社「図説からくり」
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