ある筋から購入したポール・スプーナーの2000年初頭に作られたその 作品は、かなりあちこちが傷んでいた。特に素材が紙でできた部分の縁が めくれていた点が大いに悩ましい点であった。
この紙の縁の”めくれ”は、微妙に他と接触することで作品の動きに支障を きたしていることがわかったからである。 この問題解決には、干渉する”相手”である木製の駆動部分を少し削るという 荒療治を選択決断を下したのだが、これにはとても悩んだ。 その理由であるが、表からは見えない部分であるにせよ作品に手を入れ ることをタブー視する概念を乗り越えることがなかなかできなったからで
あった。 それでも見た目というか、おそらく作者が見ても修理したとは思えないほど 修復は完璧といえる出来栄えになった。 今はモーターを使って”細い”ハンドルをスムースに回す仕組みを取り付ける ところまで辿り着いた。
いつもの様にモーターの回転数を30〜60ppmのどれにすべきか? それについても悩んだのだが、先に触れたことから言えば可愛い悩みである。 最後にアクリガラス・ケースを製作し、次の展覧会で披露できたらと思う。 ポール・スプーナーの「壁掛けタイプ」作品は、私が知る限りでは6点のみである。 極めて貴重な一つである。 「COWBOYA OF THE LIBIDO」by Paul Spooner MOLEN
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