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執筆者の写真Hal Furuta

オートマタ制作の速度は、才能に比例する⁉

更新日:2019年5月15日

ポール・スプーナーが作品を作っている姿をDVDでご覧になられた方ならば、 そのスピードがいかに速かをご存知のことでしょう。 ”ラッキー・キャット”という作品があります。 それが日本に到着したばかりの頃は、動きが少しギクシャクしていました。

その理由は次の2つでした。 1)まずネコ(4体ある)の総重量が想定以上であったこと。

2)次に英国に比べると日本の湿度が高いために、機構の心臓部を担う木製棒(バー)のすべりが鈍くなってしまったこと。 このことをスプーナー氏に相談しました。 すると「作品をすぐに送り返せ」と言われたのですが、 展覧会開催まで残す時間はわずかしかありません。


送り返すことなど到底できませんでした。 ハラハラドキドキしながら善後策を日々練っていましたが解決策は見つかりません。 そこへスプーナーに相談してから約1週間の後、彼からなんとネコの重量を約半分にしたものが私の手元に送られてきたのです。 そこには写真のように、新旧のパーツ(ネコ4点)を入れ替えるための作業手順が書かれた”手引書”が同封されていました。 制作だけでなく、問題解決への分析と決断、そして実行へと移行する作者のエネルギーと言いますか、驚異的な速度に驚かされました。

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