写真は会場で撮影したものですが、最初パッと見た感じ”つまようじ”には見えず、何でできているのかとても不思議な気持ちがしたものです。まるでハリネズミの背中を拡大したような...近づいてみるとつまようじだとわかるのですが、あまりの数に圧倒されます。 均一に差し込んで高さを均一した作品ですが、見るはやすし行うは難し、おそらく。 素材はクリップ、色鉛筆、マスキングテープなどカラフルなモノが多用されていましたが、素材の厚みや高さを一定に連続させることで全体像はまるでキャンバスに描かれた立体的な抽象画のようでした。 以下は展覧会の説明文です。この文章がとても良質でして感銘を受けました。
幾何学的抽象を主とする造形表現を展開している森竹巳(もり・たけみ/1951~ 群馬県太田市生まれ)。近年は「百均造形(ひゃっきんぞうけい)」と名づけられた作品を制作しています。
「百均造形」とは森が創り出した造語で、百円ショップやホームセンターなどで手に入る材料を使って制作された作品たちのことです。ストロー、輪ゴム、ガムテープ、綿棒などどこにでも売っている身近な材料たちが、驚くような作品に大変身します。理論に裏づけされた手法と効果によって造形作品へと変化を遂げる―これが「百均造形」の面白さと言えます。
今回は、「はる」「さす」「かける」といった身近な言葉をキーワードにして作品を紹介するとともに、みなさんが参加して新たな「百均造形」をつくるコーナーもあります。
身の回りにある当たり前のものも、考え方を変えると別の形が見えてきます。今までとは違う角度から物事をみて、日常生活に新しい発見を生み出す。「百均造形」はそのヒントを私たちに与えてくれることでしょう。