「釘打ちはむずかしい」という邦題がつけられたポール・スプーナーの作品です。
男がハンマーを振り上げて、クギをめがけて振り下ろしますが、なかなか当たりません。 パチーンという音が響くほど、強く打ち込みますが、クギはそのたびに首を振ってうまく逃げます。
男は口許に左手をあてている様子から、クギを打ち損ねた際に自分の指を叩いたのだろうと推測できます。それは作品を見る側の心理をうまく掬い取り計算していることがうかがえます。このように作者のちょっとした細かな気配りが作品に生きた良い例だと思います。 ©Paul Spooner
