「飛び出す絵本ワールド展」と題されたこの企画展。実は、仙台で二度目となります。「イギリスからくり玩具展」はまだ1度きりなので、こちらの飛び出す絵本の人気が勝っている?!のかもしれません。
毎回、展覧会で心掛けていることは、必ず新しい展示作品を入れることはもとより、展示演出や展示什器を一新するということです。今回は高さ2400㎜×幅5400㎜の壁を作り、アールコーヴを6つ作りました。
アールコーブには古書原書や貴重な作家写真などを入れ、厚みのあるアクリルガラスで覆い、LED(電球色)で作品を照らしました。壁全体はやや暗い色調の”洋書で埋められた書棚”の壁紙を経師してみました。
この狙いは、会場全体の灯りを落とすことができない場所でしたので、ある程度”暗めのスペースを作りだすことが必要だった”のです。ある程度ルーメンを下げる、つまり暗くすることでアールコーヴの中身を目立たせる、引き立たせることが、そこで初めて可能になるという考えがあったからです。
洋書の壁紙は、とびだす絵本も本であること、またとびだす絵本は洋書が多いことも背景にあります。しかし問題もありました。洋書の壁紙は内容に比例して価格もピンキリなのです。
当然、良いと思うものはとてつもなく高く、私が当初臨んだフランス製のモノは何と壁紙だけで数十万円になるため、泣く泣く断念しました。 展示予算がふんだんにあれば、次回はそれをどこかに使ってみたいものです。