top of page
執筆者の写真Hal Furuta

オートマタの作り方 言葉から連想する


本題に入る前に、前回書きました”答え”ですが、「ハンドルを2回まわすことで、円盤は1回転する」が正解です。つまりマルティプルトランメルギアAタイプとBタイプは回転数でいえば同じなのです。こうしたことを理屈以前に、体験することでモノづくりが好きになることは多いのではないでしょうか? そこに機構模型の必要性を感じていただければ幸いです。 さてこのオートマタ作品ですが「山羊のストレス」と題されています。ご存知ポール・スプーナーの作品です。バケツを蹴ることは、すなわちサドンデスに直結するという意味が隠されています。 「バケツを蹴る/kick the bucket」は、アメリカ西部開拓時代の公開処刑(=しばくり首)を指す言葉、あるいは首吊り自殺する際に、足元のバケツを蹴ることなどの意味があったようです。もちろん、informalな使い方であり、スラングだと思われます。

『強いストレスは自らを死に至らしめる。人生は楽しむものです。』これは作者から私への手紙(e-mail)によく書かれていて、働きすぎに注意しなさいよという意味で示唆されることが多いので、耳が痛いのですが、いずれにせよ、そうした意味を作品の裏に秘めているのだと私は理解しています。

ポール・スプーナー芸術は、一見すると「面白い」場合によっては「楽しい」と感じるものばかりですが、少しピリッとした感性、人生の不条理、人間の行為に対する少し意地悪な見方なども含まれていることこそが、観る者に強い印象を与え続ける重要なポイントのひとつなのです。



閲覧数:105回0件のコメント
bottom of page