一匹のネコが、舌を伸ばしてミルクをペロペロ舐める姿が愛くるしい作品です。しかし、唐突にその平和は終わり、その場にネコは倒れ目をむき、下をだらりとたらして死んでしまいます。 しばらくすると、ぴくぴくと身体を震わせながら、徐々に四肢を伸ばし立ち上がり、またミルクをおいしそうに飲み始めるのです。つまり、ネコは死んだのではなく気を失っていたわけです。ポイントは唐突さにあります。 ネコが崩れ落ちることを、知らずにこの作品を動かしていると、、、ガクッと倒れるので、とても驚きます。さて、この唐突さを演出しているのは、何か? 答えは糸です。糸が緊張を保っている間は、猫はミルクを舐める姿勢と動作を維持し、糸の緊張が解けた瞬間、全身が弛緩し崩れてしまうのです。
MOLEN