オートマタの構造は、フィギアと機構部分に大別されます。個人的な意見ですが、駆動部である機構部に比べ、一般にフィギアが小さい傾向があります。製作する側から見て、フィギアを小さくしなければならない理由があるわけです。 フィギアのサイズが、機構部のそれと同じ程度かもしくはそれ以上であった場合、フィギアの駆動する部品間の摩擦や摩耗も計算が大切になります。またフィギアの重さも、重要な要素になってきます。重さという点から判断すると、やはり紙という素材が有利であると言えます。耐久性という問題を除けば紙でオートマタを作るという行為は、作者の思い描くオートマタ・デザインに手が届く距離にあるのかも知れませんね。 さて画像の作品ですが、英国のペーパー・エンジニアであるロブ・アイヴス(Rob Ives)の手による「にわとりさんのウェーブ」です。原題は”Mexican Peck”。メキシコで初めてサッカーのワールドカップ大会が行われた際に、スタジアムでウェーブが沸き上がった際に、その群衆(ファン)の姿がにわとりが餌をつつく姿に似ていたことから、英国ではこの呼び方になったという逸話があるようです。