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執筆者の写真Hal Furuta

オートマタの作り方 唐突にやってくるネコの終末期。我々の心に焼き付く残像。それは音を消すことで最大限の効果を引き出していた。お気づきでしたか?

更新日:2020年10月9日


この作品のもとは「ボルジア家の猫」であって、俗っぽい印象を出すためか、全身が黄金色の猫であった。それが、いつか(多分、見るものにわかりにくいから)普通ぽくなったのがこれ。*「ボルジア家の猫」については、写真集「ポール・スプーナーの世界」に詳しい。 「ボルジア家の猫」の黄金色から▶「ぺろぺろねこちゃん」の木肌色へと、色は変わったが、動きそのものは変わらなかった。

床にこぼれたミルクをぺろぺろなめているうちに、いきなり”その瞬間”がやってくる。

猫の身体を支えているピンと張った糸が突然ゆるむのだ。それで猫は、床へと崩れ落ちる。 予測していなかったこの動作に観る者はみなギョッとする。

いきなり動作をやめるという予想外の動きに迷わされてか? 多くの方は”音の演出”を見逃してしまいがちだ。バタリと行くまでは、ぺろぺろする動作に合わせて”ある音が聞こえていた”はずなのだが...ピタリと止む。 音が止むことで、終息がもたらす静寂を強く意識させる演出なのだ。

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