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「感情に揺れる大きな頭」

執筆者の写真: Hal FurutaHal Furuta

パラミタミュージアムで現在行われています「英国自動人形展」では、第1会場入って右手壁面に、やや大き目な作品写真数点を展示しています。 ポール・スプーナーの作品「感情に揺れる大きな頭」です。50点を超える鞴(ふいご)と空気を送るパイプがまるで人間の血管や神経のように作品内部に張り巡らされたこの大作は、今はどこにあるのか、現存しているのかどうかすらわかりません。


この作品が辿った複雑な事情、数奇な運命については後日お話ししたいと思いますが、この作品の見どころは人間の感情を単純に躁と鬱の2つのシーン、興奮した状態と静寂な状態のわずか二通りに分けることで、敢えて人間の複雑な心理表現に成功した点にあると考えます。

巨大な頭(顔)が左右に開くと、まず中から男女が現れます。男は何やら悩みがあって頭を抱えており時折抱えた頭を上下し苦しむ様子がわかります。一方で女は、手にした花の花びらを一枚、また一枚とむしり取っています。どうやら「彼は、来る来ない...」花びら占いでもしている様子です。


やがてそのシーンは回転ドアのように、次のシーンへと変わります。最初が静寂(鬱状態)であるとするならば興奮(躁状態)の幕開けです。この作品では二場面がさながら舞台のように変化するという心憎い演出が観るものを圧倒します。


躁状態になると、、、この続きはまた別な話で詳しくお話ししましょう。

パラミタミュージアム「英国自動人形展」では、この「感情に揺れる大きな頭」の作品写真だけでなく1Fミュージアム・ショップのモニターで動画を映し出していますのでお見逃しなく。 なぜこの動画は2Fの第一会場ではなく、ミュージアム・ショップで上映されるのでしょう? それはこの作品写真を収録解説した写真集「ポール・スプーナーの世界」が販売されているからなのかも知れません...「勘定に揺れる大きな頭」。 #パラミタミュージアム #英国自動人形展 #9月30日迄


 
 
 
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