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オルダム継手|ジョン・オルダム(John Oldham ,1779-1840)の機構

ジョン・オルダム
アイルランドのダブリンに生まれました。
ものづくりの原点は彫金で、その後は細密画家へと転身します。しかし画家として活動する一方で、機械の発明にも強い情熱を抱き、紙幣などに番号を印字するナンバーリングマシンを開発しました。芸術と工学の両分野で才能を発揮した点は、レオナルド・ダ・ヴィンチを思わせるものがあり、大変興味深い人物です。

アイルランド銀行はこのナンバーリングマシンを採用し、その功績が認められたオルダムは主任技術者として迎えられました。その後、一時はイングランド銀行でも技術者として活動したと伝えられています。

また、オルダムは船舶の推進器や蒸気機関の研究にも情熱を注ぎ、多くの特許を取得しました。最初の特許は外輪(Paddle Wheel)に関するもので、1820年には、後に「オルダム継手」として知られる機構の特許を取得しています。

この外輪は、蒸気機関の動力をパドルホイールへ効率よく伝えるために考案されたもので、その改良型は世界初の鉄製蒸気船 Aaron Manby に採用されたとされています。

さらにオルダムは、ビルの暖房設備などに関する論文を専門誌へ投稿するなど、多方面にわたって活躍しました。

彼の長男トーマス・オルダムもまた、印刷機の改良に貢献したことで知られています。
 

オルダム継手のしくみ

オルダム継手は、平行に配置されながら、わずかに芯がずれた二本の軸の間で回転を伝えるための機構です。

駆動軸、被駆動軸、そして中間部品の三つで構成され、それぞれの部品に設けられた溝を滑らせながら動力を伝達します。この構造により、軸に多少のずれがあっても、滑らかで等速な回転を維持することができます。
 

現在も活躍する200年前の発明

実際に弊社の機構模型を納品した富山県の大手機械メーカーの担当者によれば、オルダム継手は現在でも多くの工作機械に採用されているそうです。

その理由の一つは、機械に過大な負荷が加わった際、オルダム継手を本体より先に損傷するよう設計することで、高価な機械本体へのダメージを抑えることができる場合があるためです。

このような設計思想は、故障が発生しても重大な事故や高額な損害を防ぐ**フェールセーフ(Fail Safe)**の考え方にも通じています。
 

約200年前に考案されたオルダム継手は、今日でも精密工作機械を支える重要な機械要素として活躍し続けています。

オルダム.jpg
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