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最後のドードー鳥/ Last Dodo|ポール・スプーナー/マット・スミス
本作は、人類によって絶滅に追い込まれたとされるドードー鳥をモチーフとしています。
作品に登場するのは、セーラー服を纏った船員たちです。彼らはナイフとフォークを手に、リズミカルにテーブルを打ち鳴らしています。
ドードーは、かつてインド洋のモーリシャス島に生息していた鳥であり、16世紀以降、上陸したポルトガルやオランダの航海者たちによって食料として利用されたという記録(あるいは憶測に基づく歴史)が残されています。
こうした背景を踏まえると、船員たちの滑稽な姿は単なる演出ではなく、人間とドードーの歴史的な主従関係を象徴的に示していることが分かります。
たとえ目の前の一羽が「最後の一羽」であったとしても、その認識が彼らの振る舞いを変えることはありません。彼らにとっての現実は、今まさに満たされるべき空腹という個人的な欲求であり、種が途絶えるという歴史的な重みは、その単純な消費活動の影に隠れてしまいます。
目の前にあるものを消費する…ただそれだけの行為が繰り返される中で、「絶滅」という意味は宙に浮いたまま、どこにも行き着くことがありません。軽やかでリズミカルな動きの背後に、取り返しのつかない過去が横たわっているようです。


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