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  • 執筆者の写真Hal Furuta

「ワイナリー カーブドッチの刻」を再読して感じたこと。

更新日:2020年10月13日


“カーブドッチ”という素敵なワイナリーが新潟市(旧巻町)に存在します。そのワイナリーのことを書いた1冊の本があります。「 カーブドッチの刻(とき)」という新潟日報事業社から出版されたものです。

もう出版から12年...になりますか。

先日、書棚から引っ張り出して読み返してみました。

そこには過多な競争に巻き込まれず、過度な利益を追求せず、経営の本質から外れることのない、本来のあるべき経営の姿を示した、大切な言葉が沢山詰まっているように思います。そのごく一部ですが、ご紹介してまいります。


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【万人向けのワイナリーでなく、「はじめに生産ありき」】P42

「カーブドッチを始めるときに決めたことがあるんです。それは、しっかりと自己主張をしようということ。嫌いなお客には嫌いだとハッキリ言ってもいい。その代わり、お客にも言いたいことはハッキリ言ってもらいたい」~中略「私たちは長くワインづくりを続けるつもりで、この事業を始めました。長続きさせるためには、マーケットを大きくしてはいけない。トレンドを追うことになりますから」

【お客様を神様扱いすると個性は失われていく】P54

「われわれのやり方は別に珍しいものではありません。ヨーロッパのワイン農家のあり方をそのまま取り入れているだけです」自分たちのやりたいことをやるためには、お客の都合に合わせるわけにはいかない。むしろ、お客のほうに合わせてもらうというくらいの気持ちが必要だと落は言う。そのやりたいことというのは、いい葡萄を、引いてはいいワインをつくることなのだが、ワイナリーとしてお客を迎える際にもカーブドッチには主張が見られる。まず旅行会社が企画する観光コースには組み入れられないようにしている。団体のツアー客を受け入れないことはないが、むしろ個人で訪れる人々に重きを置いている。

(P56)万人に愛されようとすると、どんなものであれ価値は下がる。個性を失うからだ。個性がないということは、簡単に別のものに取って代わられるということでもある。商品の場合は値段を下げて安売りすることに存在価値を見出すようになる。「八方美人」が褒め言葉ではないように、人間も同じことだが、誰からも気に入られようとすれば、逆にいてもいなくてもいいという風に軽んじられる。カーブドッチはそういう「安売り」を拒んでいるわけである。

以上、原文まま

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 経営に携わっている方であれば、おわかりだと思いますが、なかなか上記のことを実践することは難しいことが多いように感じます。しかし、資本力に劣る中小零細の経営は、初心を忘れてはならない。むしろお金欲しさに信念を曲げることで、衰退し、やがて滅亡へと導かれていくように思うのです。 よく「世の中は甘くない」という言葉を耳にします。まったくその通りであって、初心を忘れ、お金儲けに夢中になり、それでうまく行く、というようなことは実は極めて稀なのではないか?と感じることが多いのです。 つまり「お金の亡者になることで成功する」ほどビジネスの世界は甘くないようなのです。 さまざまなことに心を砕き、常に世の中のためになる仕事を目指す、そのためのスキルを磨くことをおろそかにしては経営の継続はありえないのでは、などと私は思うのです。

皆さまはどのように思いますか?エッそんなことは成功してから言えですって。まったくそのとおりですね。これからも一層の努力を怠らず頑張ってまいりますので、ご支援のほどお願い申し上げます。


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