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1987年制作 素材|木、金属
 

本作はポール・スプーナーの初期の代表作であり、彼のいたずら好きな作家性がぎゅっと凝縮された一作です。
 

まず、タイトルに隠された「言葉の仕掛け」が秀逸です。
「Barecat(クマネコ)」という綴りを組み替えると、彼を世に送り出したプロデューサー組織「Cabaret(キャバレー)」が浮かび上がるアナグラムになっています。

 

箱の上では、大きな親猫が小さな子猫を操り人形のように動かしています。「自動人形が、別の自動人形を操る」というこの奇妙な入れ子構造には、スプーナーの皮肉めいたメッセージが隠されています。
 

当時、周囲からは「プロデューサーであるCMT(キャバレー)が、作家のスプーナーを自由に操っている」と思われがちでした。しかしスプーナーは、この作品を通じて「実は、操られているように見える私こそが、組織を動かしているのではないか?」と、力関係をひっくり返して見せたようです。
 

台座の中で複雑に組み合わされた木製の歯車は、そんな「どっちが主導権を握っているのか」という力学を面白おかしく可視化しています。

自分の立ち位置や組織との関係さえも、ひょいと作品のネタにしてしまうスプーナー。
彼の独特な諧謔(ジョーク)とセンスが、この親子猫の動きの中に生き生きと呼吸しています。

クマネコ.JPG
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